ハマユウ(浜木綿、ハマオモト)の香り
夏始まる、ラベンダーな休日。
伊吹山 (滋賀県)ユウスゲ
伊吹山の3合目高原に夕暮れから咲く「ユウスゲ」探訪(7月頃)
夏は、ラベンダーの香りを
嗅ぎに行こう!
静けさの中に広がる香り
自分好みのラベンダーを探してみましょう
早朝のラベンダー畑は静寂そのものです。まるでラベンダー畑が音を吸収しているようで、聴こえるのは、蜜蜂の羽音と僅かな風の音だけ。太陽の下でハーブに対峙する貴重な一時を盛上げてくれるようでした。
広い、ラベンダー畑の真ん中に身を沈めると、なんともいえない解放感と幸福感に満たされてきます。香りと、心地よい光景、穏やかな音が奏でる最高の時間を体験できます。
ハーブ園や、産地では、幾種類ものラベンダーを栽培されている事が多いので、自分の好みの香りを探しに行くのも楽しみの一つでしょう。
夜明け直後の清々しい空気感
中には、白いラベンダーや、純国産のオカムラサキといったとても香りのいいものもあります。気に入れば精油(アロマオイル)や、ドライラベンダーなど香りのお土産を買うのも楽しみです。
十勝岳がかすかに望める
見渡す限りラベンダーラベンダー、ラベンダー。
こころの深部まで滲みる。
ラベンダー摘み
蝶も蜜蜂もやってくる
ラベンダー畑では、少し肩の力を抜くとすぐに眠たくなりますので、余裕を持って訪れるといいでしょう。たっぷりと心に滲みるまで味わいましょう。
ラベンダー畑の真ん中で
香りを感じましょう。
各地のハーブ園では、ラベンダーが栽培されていますので、早朝か、夕方等比較的人出の少ない時間帯を目指して訪れると楽しみやすいです。しかも香りがよく飛散する時間帯です。
珍しい「濃紫ピンク」という品種。
北海道で栽培されたオカムラサキという品種は、富良野ラベンダーの貢献者であるファーム冨田の開発品種です。
1990年に南フランスのモンブランで開催されたラベンダー精油品評会で一位に認定された精油です。日本人好みの親しみやすいとてもいい香りです。
まさしく「ラベンダーの海」
ゆっくりと最高のアロマテラピーを堪能しましょう。
ラベンダー畑の多くは、収穫を目的に栽培していますので、確認してから出かけるようにしましょう。
撮影:2005年7月17日 北海道富良野
ポプリの里、彩花の里、ファーム冨田等
海辺の浜木綿(ハマユウ)
夕暮れからの香りのショー
黒潮に乗って漂着する
漂着種子の新天地に繰り広げる香りの乱舞
温暖な南日本の海浜で見かける花。夕暮れから香りが拡がる夏の花。秋の田畑で見かける真っ赤な彼岸花(ひがんばな)の仲間で花は白です。
山口県角島
個人的には灯台に最も似合う植物と思っています。南日本の海岸には南方から種や株が海流で運ばれる植物が多くあります。ハマユウの他にも有名な椰子(ビロウ)、アオイ科のオオハマボウ、グンバイヒルガオ、アダン、クワズイモなどと漂着種子たちの海を超えたツワモノの姿に対峙できます。
高知県足摺岬
主な分布は、南西諸島全域、鹿児島県指宿市の長崎の鼻、和歌山県の串本町潮岬周辺、高知県土佐清水市の足摺岬、福岡県の芦屋浜、愛媛県の愛南町周辺、静岡県南伊豆町の弓ヶ浜海岸周辺、山口県の角島等房総半島以南の海岸で出会える花です。開花時期は7月から9月頃。
角島灯台前 左:東シナ海、右:日本海
蛾が虫媒するので夕暮れより一層香りが強くなります。甘い香りは夏の夕暮れの海岸を香りで雰囲気を盛り上げてくれます。自生は海岸沿いですが、園芸としても街なかや植物園、公園などでも見受けます。
夏の数カ月間開花しています
黒潮の記憶が開花する
南方から黒潮海流の運ばれる植物には椰子(ココヤシ)や、水仙、モダマ、ハマボウ、ヒルガオ、ゴバンノアシなど数多くあります。そんな中で一際凛とした姿のハマユウはよく目立ちます。夕暮れの香りは黒潮の記憶がそっと漂ってきそうな。
海岸沿いでは群生が見られる
植物園や庭園などでも出会えることはよくあります。車の多い都会や神社の一角、公園などでも出会えることがあります。開花時期にはすぐに分かりますが秋から春までな少しグロテスクな大きな葉っぱが目立ちます。
香川県高松市屋島の四国村にも多く植樹されています。
黒潮の贈り物
崖や水際など漂着したハマユウが健気
都会の真ん中、大阪城近くの公園
夕暮れから香り立つ
夏場、香る植物がやや少ない時期にハマユウに出会えるとその場所が輝いて見えるのは著者だけでしょうか。
花は彼岸花によく似ています。手前奥共にヒガンバナ
同種の秋咲きの彼岸花とは異なり葉の幅がとても大きい。アガパンサスや、スパイダーリリー、カンナなどの葉と似ています。
徳島県宍喰のペンションの庭に咲くハマユウ
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香りと嗅覚の関係
幼児期に豊富な「香りの原体験」を!
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