沖縄 幻の花
感香花旅〜サガリバナ〜
昼間見たり嗅いだりできない
国内では西表島のある八重山諸島〜沖縄本島〜奄美大島を北限とする一夜花です。マングローブの森に夜に咲いて明方の水面に落下する様子はとても幻想的でテレビなどでも時折紹介されている幻の花です。
西表島 浦内川流域に群生沖縄本島南部西原 内間御殿夜に香りは他にも、夜香木や月下美人、月見草、月下香、夜香蘭、夜咲きカサブランカ、夜咲きサボテンなどありますがそんななかでも香りの強度がとても高いです。
内間御殿(国指定史跡)
沖縄本島南部に訪れやすいサガリバナは、琉球王朝の始祖尚円王の旧宅跡地に建立された神殿周辺にあります。日没後しばらく経ってから訪れるとあたり一面にサガリバナの香りが充満しています。むせ返るほどの香りです。光を当てると花火にように輝いて見える姿は幻想的です。
自生地はほとんどが河川流域。石垣島北部の平久保半島や西表島の仲間川や浦内川の流域に群落があります。沖縄本島の首里や真喜屋、添道などでも出会えます。
サガリバナの開花は6月下旬〜7月下旬頃
日が昇ると落下するので暗くなってからが本番です
花言葉「幸運が訪れる」
時折、街路に植えられていたりもするのでよく観察すると出会えます。牧志市場近くの三越前の街路でも発見できました。首里町の末吉公園でも出会えいました。近年市街地への植樹が拡がっているようです。
那覇市 末吉公園のサガリバナ子どもの足元には落下した花殻
花の形状は総状花序が数十センチ垂れ下がり横向きの花が20〜30花弁ついたものです。開花するとねむの木のような穂先が拡がったブラシ状です。香りはバニラとも樹脂臭ともいわれていますが状況により変化して感じます。いずれにしろ深夜に嗅ぐと不思議な世界に誘われます。
牧志の三越前の街路にサガリバナ。見つけると嬉しい。
4月下旬〜5月初旬が嗅ぎ頃
水場近くが適地河川の流域、沖縄や奄美ではマングローブのある辺りに自生しています。近年は街路樹や川べり、公園などにも植樹されたものも増えているようです。
一夜花の朝花単体は遠目には夜だけ開花するマメ科のネムノキに雰囲気が似ていますが、サガリバナ科のサガリバナは総状花序と言われ、藤やニセアカシア、ライラックと同様の花のつき方です。
白とピンクの蕾
サガリバナの群生地、沖縄〜奄美
奄美大島:瀬戸内町伊須集落、与路島
沖縄本島:那覇末吉公園、沖縄村、東南植物楽園
宮古島:添道
石垣島:平久保崎
西表島: 浦添川流域、仲間川流域
夜間の感香体験なのでハブや昆虫などの被害の可能性がありますので、できれば現地のツアーやガイドとの体験がお勧めです。カヤック等水上からの体験ツアーもありますので事前に調べておくと穴場スポットなどに出会えるかも。上記以外にもサガリバナは植樹が行われています。上記周辺の街中でも発見できます。