寒さこそ
最高の引き立て役
水仙の香りは冬の妖精の言葉
真冬のちょうど中心にいるような気持ちがしてくる
真冬の花の香三種(梅、山茶花、水仙)の中で、水仙は、梅が春の期待を感じさせる甘い香りとは異なり、あくまでも凛とした崇高な印象があります。
春を迎えるには、まだまだ早いですが、真冬を感じるにはうってつけの香りです。清々しく、さわやかな香りは、体内の汚れもきれいに流してくれるようなも感じます。
真冬のナチュラル・アロマテラピーに水仙郷を訪ねる旅はいかがでしょうか。
紀伊水道に浮かぶ沼島を望む
立姿が細腕のようだが力強い
水仙の自生場所の多くは、風当たりの強い崖っぷちです。よりにもよって、厳しい環境を選ぶのか不思議です。だからこそ、水仙のあの凛とした男前な香りが誕生するのか、一度水仙に聞く機会があれば、教えてもらいたいものです。
香りの強さが寒さを忘れる
肌を切る風が育む真冬の絵巻
黒岩水仙郷の入口
淡路島の黒岩水仙郷は、房総半島、伊豆半島、越前海岸にならぶ水仙群落です。何れの地も寒風吹き荒ぶ場所ですが、香りる植物の少ない真冬の貴重な「嗅ぎ場」です。
開花は、概ね1月から2月頃までと比較的長い期間開花していますので、開花の知らせをチェックしながらお出かけ下さい。
漂着した球根を山に植えたのが始まり
急斜面に500万本の野生水仙が嗅ぎもの。
淡路島は、海峡と灘、湾に囲まれた日本神話にも登場する島です。かつて、日本に最初に漂着した香木もこの島です。そういう意味では、自然の貿易港なのかもしれませんが、香木も水仙も共に香り繋がりで少し不思議なものを感じます。
へばりつくように咲く。
香りを堪能しながらの眺望は異次元
淡路島の南側に位置する黒岩水仙郷は、風と太陽が降り注ぐ急斜面にあります。かなり、人の手による管理がなされており、遊歩道も完備され子どもから大人まで楽しめます。
一重咲きの野生ニホンスイセンが広がる
斜面の頂上には展望スペースが有り、紀伊水道に浮かぶ沼島や、遠く和歌山や太平洋を望めます。風に当たりながら、水仙の語りかけるような香りをしばし聞いてみるのも、冬ならではの楽しみです。
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黒岩水仙郷から少し76号線を東に足を延ばせば立川水仙郷もありますので、時間が許せば併せてお楽しみ下さい。
撮影:2007年2月3日
兵庫県 黒岩水仙郷
兵庫県南あわじ市灘黒岩2
開園時期:2009年12月頃~翌年2月頃
西淡三原IC及び淡路島南ICより約40分
灘黒岩水仙郷 TEL0799-56-0720
兵庫県立川水仙郷(黒岩水仙郷の近く)
兵庫県洲本市由良町立川2877-22
開花時期:ガリル(早咲き水仙)12月中旬~1月中旬
日本水仙(寒咲き水仙) 12月下旬~2月下旬
黄ラッパ水仙(春咲き水仙)2月下旬~3月下旬
立川水仙郷 TEL0799-27-2653
洲本インターから国道28号線経由、県道76号線を南へ約30分
淡路島観光協会(南あわじ観光案内所) TEL0799-52-2336
水仙を嗅ぎに出かけよう。