色濃く香り文化が継承され暮しに溶け込んでいる
Teotihuacan Pyramidアメリカに本社を置くnaturecompanyという自然科学をテーマにしたストアに納入する商品開発の材料探しにMexicoへ行った時、ネイティブ御用達の香りの市場があると聞いて訪れました。
薬草の品書き
首都メキシコシティーの外れに、人知れずソノーラマーケットと呼ばれるネイティブ向けの薬草やナチュラルグッズの市場は、日本でほとんど見かけない薬草や 香木、樹脂、薪、香油、呪術グッズに溢れています。中でも、魔術師が儀式に使用するアイテムは、写真を撮るのも恐れ多く凄んでしまうもの(干しコウモリ) もあり、とても興味深い場所です。
産地は徹底して教えてもらえなかった
日本で入手できる漢方薬や薬草類の数を遥かに凌ぐ量がここでは扱われており、多くの場合産地等の情報は頑なに守られており、商品の希少さを改めて知らされました。
ポピュラーな香りをたたせるアイテムとしては、写真にあるような樹脂(燃焼させて使用されています)が一般的ですが、コーン型線香も見つける事が出来ましたが、これは現代のものということでした。
あやしげな空気感がとても心地いい
地元の人にもあまり知られていないソノーラ市場は、なんだか秘密めいた雰囲気がありました。小さなお店が数十軒連ね、結婚式に配られるミニチュアのかわいいグッズ屋さんもあって、人の営みに関する儀式にまつわる商品群が揃っている市場といった感じです。
呪術師が用いる干しコウモリが売られているお店。キリスト教会で焚かれている樹脂片が売られている横に、おなじみのアロエも売られていました。
魔術師ご用達
キリスト教会で焚かれている樹脂片が売られている横に、おなじみのアロエも売られていました。
奥にあるのは、ヒトデかな?
青空市の野菜のような感じで売られているのがおもしろい。
どちらかいうと、加工したものよりも原料や素材のまま販売されていて、ガイドの方を通じて詳しく聞かないと利用方法が分からないものが大半でした。 お店の方と話していると黒魔術師の女性がまるでスーパーで大根を選ぶような雰囲気で清めの樹脂を見繕われていたのが、とても新鮮でした。今でも、そういっ た魔術が暮しに溶け込んでいるとは、すごいと感じました。
ちなみに、メキシコの占いはとても人気があるようですよ。
途方もない数の薬草や
香りアイテムが揃っていた
起源を宗教的なシーンで用いられていた「香り」達は、ここメキシコではその歴史を途絶える事なく現代においても生活と密着した用いられ方をしていた事に驚き、都会での香りの流行とは全く別な存在感がありました。
土産に買った乳鉢、中はホホバの実。後ろの樹脂を含んだ木片は煮込んで蜂蜜を加えると咽の薬になるとか。手前は、コパル(ミルラ:樹脂)とその樹皮。
土産に買った乳鉢、中はホホバの実。後ろの樹脂を含んだ木片は煮込んで蜂蜜を加えると咽の薬になるとか。手前は、コパル(ミルラ:樹脂)とその樹皮。
特定の森だけで収穫できる希少な樹皮「テペスコイテ」は、粉体で切り傷、火傷の速攻治療薬として強烈な回復力を備えています。
不思議な香りのパラダイスの
お土産は、救急箱の必須アイテムになりました
特定の森だけで収穫できる希少な樹皮「テペスコイテ」は、粉体で切り傷、火傷の速攻治療薬として強烈な回復力を備えています。
お土産のテペスコイテは、最近では希少性が認知され、入手が困難になってきているようで、製薬メーカーが成分解析をしているとか聞きました。父の床ずれが新薬では効果を感じなかった折りに、医師に許可の上使用したところ、驚く早さで回復した事がありました。
今では、わずか残ったものを救急箱にしまって火傷や裂傷に用いています。
よく、野生動物が痛んだ皮膚を樹皮に擦り付けているシーンをテレビなどで観ますが、テペスコイテも、動物が利用しているところを人が発見したと聞き納得しました。